会社を設立すると決意された後、様々な手続きや決めなければならないことがあります。
個人事業主か法人を設立するのか?
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法人の場合、合同会社なのか株式会社なのか?
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今回は法人を立ち上げた時に必ずやらないといけない手続きをご紹介します。
適当に流される方が多いのですが、これをやらないとかなり損します。
最初に、定款の認証を行わなければなりません。
定款とは、会社の組織や運営に関するルールを定めることです。
この会社はこのようなことをしている会社ですよ、ということを定めます。
例えば、会社の名前、会社の目的(事業内容)、会社の場所、株主総会の有無や事業年度(決算月)や役員の任期を定めていきます。
ここで気をつけなければいけないのが、会社の目的(事業内容)と役員の任期です。
事業内容が曖昧、金融機関からあまり好まれない事業内容(ex:投資、金融、株式の売買、海外取引)が含まれることで将来的に不利益になることがあります。
将来的な不利益とは、銀行口座が作りづらい、金融機関から融資が受けにくいが挙げられます。
ネットバンクだと、資本金の額もある程度の金額を入れておかないと口座開設が難しいと感じております。
※あくまでも弊社の経験に基づきます。
役員の任期については、1年から10年の間で定められますが、代表一人の場合は10年とされる方が多いです。代表以外に役員を登記される場合は1年とされることをおすすめいたします。
役員の任期途中での解任は非常にリスクが高く、役員を正当な理由無くして解任した場合、解任された役員は解任によって生じた損害の賠償請求ができます。ここで生じた損害とは、残りの任期相当額の役員報酬を示すことが多いです。任期を10年とした場合、このリスクが非常に高まります。
定款を作成したら、その会社の本店所在地を管轄する公証役場の公証人による認証を受けなければなりません。
次に登記になります。
法人の設立登記は法務局で行います。
提出する書類は以下の通りです。
・1で認証を受た定款
・登記申請書
・登録免許税納付用台紙
・払込証明書
→会社の資本金を払い込んだことを証明するもので、代表者の通帳へ会社の資本金を振り込んだページをコピーした部分と通帳の表面をコピーした部分を提出します。
・発起人の決定書
・就任承諾書
・取締役の印鑑証明書
・印鑑届書
会社実印、会社銀行印、会社角印は会社名を決めた時に作成しておくとスムーズです。
登記が終われば、次に関係各所に出すべき書類をリストアップしておきます。
税務署への提出資料
・法人設立届出書
添付資料として、定款・登記証明事項・株主名簿・設立趣意書・貸借対照表が必要です。
・青色申告の承認申請書
出すことで、赤字を最大10年まで繰り越すことが可能となり、特別償却等、税金面で有利にあることがあります。ただし、設立後3ヶ月以内、設立事業年度の終了日の前日までに提出縞ければいけません。
・給与支払事務所等の開設届出書
給与を支払う際に、源泉所得税を徴収しなければなりません。この源泉を徴収した法人はその翌月10日までにその源泉所得税を納付しなければなりません。これを行うために必要な書類です。
・源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書
源泉所得税を毎月10日までに支払うのは、非常に面倒ですよね?従業員が10人以下なら、毎月ではなく半年に1回(1月と7月)にまとめて払ってもいいよという特例の制度です。
ただし、この特例が適用される源泉は、給与や退職手当て、弁護士や税理士等特定の職種に支払う報酬ですので、これ以外の個人に支払う源泉は毎月支払わなくてはいけませんので、ご注意ください。
・棚卸資産の評価方法の届出書
在庫を抱える事業の場合、棚卸在庫の評価方法をあらかじめ届けておきます。
・減価償却資産の償却方法の届出書
設備投資がある場合、資産の償却方法をあらかじめ届けておきます。
都道府県税事務所長への提出資料
・法人設立届出書
本店所在地の市への提出資料
・法人設立届出書
社会保険関連の年金事務所へ提出資料
・健康保険・厚生年金保険新規適用届
・健康保険・厚生年金保険被保険者資格取得届/厚生年金保険70歳以上被用者該当届
・健康保険被扶養者(異動)届
・健康保険厚生年金保険 保険料口座振替納付申請書
従業員を採用する場合に必要な書類
労働保険(労災保険)について、労働基準監督署へ提出書類
・保険関係成立届
・就業規則(従業員が10人以上いる場合)
・労働保険概算保険料申告書
労働保険(雇用保険)については、ハローワークへ提出書類
・雇用保険適用事業所設置届
社会保険について、注意しておかないといけない点
国民保険に入っているので、社会保険には入ってないですという声を年に数回耳にすることがございますが、社会保険の加入は法人の義務ですので、入らないという選択肢はございません。
国民保険と社会保険の両方を払っている社長様も見受けられます。個人事業主から法人化をした時に切り替えの手続きを忘れているだけですので、上記に加え切り替えの手続きも必要です。
二重払いをしていた場合、社会保険の加入があれば、国民保険は払い戻される可能性がございますので、住んでいる住所の区役所または市役所へお問い合わせ下さい。
まとめに
上記の書類を見ただけで、尻込みしてしまうかもしれませんが、今はワンストップサービスとして、簡単に定款から一人で作成できるネットサービスが複数ございます。
ただ、会社を初めて立ち上げられるという方は、専門の方と詳細に打ち合わせをしてから、上記のようなサービスを利用される、又は、専門家に任せてしまった方がスムーズに行くことが多いです。
もちろん、専門家に相談すると費用が発生していたします。
自分一人で何もかもやることは素晴らしいですが、不慣れな部分については、第三者のアドバイスを受けることで、事業のスピードアップを図ることも重要です。
創業時に社長がやるべきことは、起業手続きの書類を完璧に覚えることではありません。少しでも売上を作るということに全力を注がれるべきです。開業するとさらにやるべきことが山積みとなります。この作業は売上に直結するものもございますが、大半は手続きと直結しないものが多いです。このような作業から、解放される費用は決して無駄なものではないと財務的に考えても問題はありません。
弊社でも、起業の準備や手続きも含め総合的にアドバイスをさせていただいておりますので、どんな些細なことでも、サポートさせていただきますので下記までご連絡ください。